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2009.08.28 Friday

人が薄くなってゆく



とある仕事でのロケハンだった。近郊のロケーション候補地をいくつか廻った。ドライバーはその度にカーナビをセットする。「案内開始」で動き出す。
合理的で便利なカーナビ。でも、味気ない。そのドライバーがどういうルートを選ぶのかも、どういう工夫をして廻ってくれるのかもすべてなし。
たかがドライバーと思われるかもしれないが、以前はそこにもそれぞれのドライバーの個性が溢れていた。そしてドライバーも制作スタッフだった。

ロケバスでの移動中の会話で聞いた話しだが、あるムービーのカメラマンがスティールの撮影も受けることになったそうだ。彼は誰かスティールの助手をつけるように制作サイドに頼むのだが、canonの5Dを使って簡単に撮ってくれればいいと、その要求は却下されたそうだ。
簡単に撮れる、そうだろうか。だったらぼくはどうすればよいのだろう。スティール撮影に打ち込んで来たぼくは。

友人の大木さんのブログで、ムービーのカメラマンの世界にスティールのカメラマンが参入してその世界も変わったという問題が取り上げられていたが、少なくともぼくの場合は、しっかりとしたチーフをお願いして、そのスティール的な絵づくりを信頼してもらった。
しかし、それとて簡単に撮れるからということではない。

技術の進歩は確かにすごい。日進月歩とはこのことである。でも一度立ち止まってよく考えて欲しい。そんなに簡単に機械を使用して簡単にことをすまして良いものだろうか。

カーナビのことは些細なことにしても、そのためにドライバーはロケ場所へのルートを予習しなくなった。そして個性を失った。

撮影もしかり。簡単に撮れると思い込めば、撮影に臨む準備や心構えさえも軽くなってくる。そして撮影の予習をしなくなる。結果、人の個性が薄れてゆく。

すべては予算の削減と時間の節約。そんな最近の仕事の雰囲気に、ぼくは本気で不安を感じている。
コメント
HASUIさん

> 彼は誰かスティールの助手をつけるように制作サイドに頼むのだが、canonの5Dを使って簡単に撮ってくれればいいと、その要求は却下されたそうだ。

制作サイドが、こういう回答をするというのが、ちょっと信じられません。

その制作サイドは、本当にクリエーターなのでしょうか・・・
この日記が書かれた理由が、なんとなく伝わってきます。


  • 雅@九州
  • 2009.08.28 Friday 20:13
先日の海外ロケの時、膨大な数のロケハン資料やキャスティング資料、
各種PPM資料をネットに仕舞い込んで挑んだ若手の制作君。
ところがNYのホテルは部屋のTVまでパソコンで見る最先端の仕様にしていたのがあだとなり頻繁にサーバーがダウン。後進国並みのネット環境と化していました。予定通りに進まない状況の深夜の会議中、本来なら資料がすぐに出てこなければいけないのにいくらノートパソコンを操作してもままならず・・・ついに仕事にも大きな支障が出てしまいました。制作部がカバンいっぱいに重い資料を詰め込んで持ち歩く事の重要性をみんな再認識したのでした。技術の進歩との付きあい方はどの分野でも難しくなってきていますね。一番混乱していたのはパソコンがただの箱になってしまった制作君でしたから。
  • N.SUZUKI
  • 2009.08.28 Friday 21:22
ものを作るという作業は、それがどんな分野にしろ大変な事です。でも大変だからこそそこに人の個性が出る。そして仕上がった時の感動は何ものにも代え難いものです。その上に少しでも社会に貢献したいという思いがある。しかし最近のモノ作りは全くだめです。僕はカメラマンとして、頑固に何も言わず自分のやり方を貫くしか無いのですね。
  • m.hasui
  • 2009.08.28 Friday 22:10
大変ご無沙汰しております。低予算でありながらこれまでのクオリティーを求められる昨今ですが、本来地道に自分の足で探すしかないロケ地も合理的な進め方を強いられております。監督の演出コンテもいただいていない状況で、『これまでの手持ちの資料を見せてください。』や『今回、予算が厳しいですので○○円でこの仕事を受けてもらえますか』などと言われることがしばしばあります。建設業でいうところの設計図ももらっていないのに、どうやって建設予定地、それにかかる材料、コスト等、具体的なことを決めれるのでしょうか。日頃見慣れた場所であっても季節や時間帯によって見え方は変わってきます。もちろんコスト減には協力して行きますが、これからも自分の足で地道にロケハンしていこうと考えております。








  • 田谷勉
  • 2009.08.29 Saturday 09:41
田谷さん、こんにちは。低予算でというのはもうすでに、仕事の枕詞ですね。でもこれからが広告の本質が問われる時代になると思います。頑張って下さい。
  • m.hasui
  • 2009.08.29 Saturday 20:11
コストを削減することと、
作り手を愚弄することは違うと思います。
違うと思いますが、
その違いをどうしても分かってくれないスタッフが、
増えてきたのは紛れもない事実です。

おっしゃるとおり、
その中で、一歩ずつ確実に仕事をしていくしかないですね。
大人の意地を見せつけてやる。
  • DJしまじろう
  • 2009.09.01 Tuesday 10:24
DJしまじろうさん、大人らしく冷静に話し合って前向きにですね。
  • m.hasui
  • 2009.09.01 Tuesday 10:29
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