ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 整理整頓しなくては | main | レンズの個性 >>
2017.10.01 Sunday

美しい日本の畳

JUGEMテーマ:日記・一般

子供の頃、母親の実家に行くと、畳の上で正座させられた。寺なので、お経を唱えるときは必ず正座だ。

20分も座っていると、足の感覚はなくなり、痛みも感じなくなる。そしてやっとお経が終わると立てるのだけど、その瞬間に一気に血が流れて、ムズムズがジワーンとなってどうしようもないあの感覚に。そして向こう脛にはしっかりと畳の跡ができる。

それはちょっと嫌な畳の思い出だ。そして、夏休みの昼寝もその畳の上だ。そちらは今でも子供時代に戻ってしまいたいくらいいい思い出だ。その昼寝の方だけど、暑い日にヒンヤリとした畳に横たわると、本堂の中を通り過ぎる涼しい風を体全体で感じる。そしてあの優しい畳の香りが鼻をつく。外では蝉の声がして、離れたキッチンで叔母がなにやら洗い物などをしている音が聞こえる。

1時間くらいそうやって毎日畳で寝るのが日課だった。

起きるとなぜかタオルケットがお腹にかかっていた。僕には畳というものがそういう感覚で体に染み付いている。

 

昨日と今日の二日間、金沢に畳の風景を撮りに行った。山形のある畳屋さんが、どんどん減って行く畳に歯止めをかけたいと、イグサ農家を応援したり、畳の新しい魅力を訴求したりしているのだけど、それに賛同した演出家の今村さんが、畳の映像作品を作ろうと奮闘している。僕もそれに参加しているのである。金沢の茶室や料亭、古い記念館などの畳の美しい部屋は、そこにいるだけで気持ちがまっすぐになるような感覚だ。窓からの木漏れ日に光る畳、いい色に焼けた畳。踏むとその適度に柔らかな感覚が懐かしく、今お話ししたような子供時代を思い出した。

そして、畳という日本の文化が絶えないことを想った。

 

僕は子供時代にそういう畳の思い出を持っている。だから、畳を残したいと思うし、いいものだと思う。それは、記憶が蘇るからだろう。しかし今の子供たちは畳の記憶を持っていない子が多い。だからその子供たちが大きくなった時には畳を残そうとはおもわないかもしれない。

僕は今の子供たちになんとか畳の体験をしてもらいたいと思う。学校で昼寝の時間を作る、そして畳の部屋で雑魚寝する。であるとか、畳に座る体験ワークショップとか。なんとか子供たちに畳の体験をしてもらいたいと思う。そうしないと、どんなに素晴らしい畳の映像を作っても、おそらく畳は生き残れないのではと感じた。もちろん映像で伝えることも重要だけど。

文化とは人々の記憶と感覚に支えられているもの。理屈ではないと思う。畳に限らず、日本人のアイデンティティとなる様々な文化を子供たちにどんどん体験させなくてはならないと思う。

美しい日本を残したい。

 

 

 

コメント
コメントする