ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 日々の記憶43 | main | 日々の記憶45 >>
2015.08.04 Tuesday

日々の記憶44


いやいや暑い。こんなに暑い夏は久しぶりに思える。
ぼくは、子供のころの夏を久しぶりに思い出した。クーラーなどない夏。
学校まではバスだった。越境入学していたぼくの小学校は遠かった。
バスに乗ると窓を全開で風を入れる。当時のバスはエンジンが前に突き出しているトラックのようなバスだから、その熱もそのまま客席に。みな扇子で胸元を仰いでいた。
毎朝8時前にバスに乗る。いつものちょっと髪の短い笑顔が印象的な女の車掌さんであることを願った。ぼくはその人が好きだったのだと思う。
ワンマンカーになる前のバスは真ん中から乗り降りする。僕の乗る停留所では降りる人はほとんどいなかったから、ドアが開くと同時に飛び乗って、まずは車掌さんを確認する。
小学校の低学年だったが、それが女性を意識した最初だったかもしれない。
夏の暑いバスの車内はそう混んではいなかったが、席が空いていることはほぼなかった。ぼくは意識してその車掌さんのそばに立つ。暑い車内だが、走れば風が窓から入る。
ぼくは、わざと車掌さんの後ろに立つと、その風に乗って香る彼女!のなんとも甘い匂いを意識した。
汗ですこしムッとする匂いに、石鹸のような香りが混ざっていた。
彼女は時々振り返って、いつもなぜかぼくに笑いかけた。ドキドキした。
この暑さはここ何十年でも最高らしい。でも、クーラーがなかったあのころの夏はもっと暑かったように思う。そして、あの暑いバスの中はいまだ忘れられない。2015年の夏と1964年の夏。東京オリンピックの年である。

SIGMA dp0 
 
コメント
I came across your story translated into chinese from freundevonfreunden. Although I can only comprehend very little japanese I find your blog writings immersive to read. Your daily shots are so plain and frank and I feel I can nearly share your vision.
Thank you very much
  • mikio hasui
  • 2015.08.23 Sunday 20:01
コメントする