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2013.11.03 Sunday

ボーダーライン


つい先日までは、季節外れの暑さだねえ、なんて言っていたのだが、やはり季節は確実にその歩調を早めて冬支度のようだ。裏の山を歩けば、紅葉した葉っぱについついカメラを向ける。
昨年から制作している新作はまだ半ばにもたどり着いていないが、これからの季節がその撮影の本番になる。
こればかりはまだ内容をお話できないのがもどかしいけど、(一応企業秘密ですよ。笑)来春には発表したいと思っている。
とは言え、この落ち葉の写真を載せてこんなことを書いていれば、大凡はばれてしまうだろうが。

よく聴かれるのが、「作品を制作するとき、撮ったものから何かを感じて纏めるのか、それともテーマを決めてから撮るのか」という質問だ。
「両方ありますね」正直にそう答える。
ただ、それでもどちらかと言えば、僕の場合は日頃からカメラを持ち歩いて気になったものをスナップする中から、ふと何かを感じて、「ああそうかあー」なんて感じで方向やコンセプトを見いだすことの方が多いかもしれない。
たまに、コンセプトをつらつらと考えてノートにスケッチをしてから撮ることをするが、あまり続いたためしがない。
ついこの前、アップルからからアプリとして発売された[PEACE-LAND]も元々はある広告の仕事で使ったパノラマカメラで撮った海の写真を見ていて、自然と浮かんできた作品シリーズだ。
この作品は最初のタイトルがコンセプトそのものだった。[above the line, below the line]簡単に言えば、線の上と下。
英文としておかしいかもしれないが、はじめはそうだった。
水平線は空と海を区切る線であって、それはボーダーにも思える。それをボーダーだとして、そこに立とうと思ってもそこに到達することはできない。もしも、海の上を歩き続けたとしてもだ。
どこにあってもそのボーダーラインはずっと向こうにある。
でもすこし考えを改めれば、実は自分の立っているそここそが、ボーダーラインの真上であるということに気づく。
世界や社会には、様々なボーダーがある。国境や人種、経済格差。そしてそのボーダーが原因で戦いや差別が生まれる。
僕たちはそれを遠くから見ているつもりになって、傍観しているけど、じつはそのボーダーラインに立っているのは自分もなのである。それを後に[PEACE-LAND]という昔から撮っているシリーズの延長線上に置いてみたのである。

いまの僕たちにとって大切な意識とは、世界の様々な問題を自分のこととして見ることなのではないか。
この作品を撮り始めた1995年、僕はそんなことを考えていた。

SONY RX1R 落ち葉
 
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