ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 日々の記憶 こんぴらさん | main | 三つの太陽。 >>
2013.09.23 Monday

夏の名残雲

 

夏の雲は力強いけど、どこか懐かしくて少しだけ寂しい。多感な時期に夏の雲を見上げていた頃の記憶がそう感じさせるのかもしれない。
先日、台風の前、空を見上げれば電柱と夏の雲。もう夏も終わりだから夏の名残雲。

ここ数年は、原発の事故や大きな政治の変化や、戦争の前兆。
自由と平等の民主主義というけれど、普通に考えれば、ずいぶん矛盾した言葉だ。そして恒久平和。誰もが自由に生きれば、そこには自然と格差や貧富の差が生まれるから平等ではいられない。平和も経済的な基盤を成長させながらなんてあり得ない。経済の成長には必ず経済格差。結局は自由と平等なんてあり得ないというところに巡りつく。

このところ、手作りの写真集を作ることに時間を使う。一冊目は「光模様」だ。毎朝起きたときに見えた光の模様をただ撮っただけの写真集。そして先週完成したのが「詠む写真 水の循環」これは、17点のミニマムな写真を、5、7、5 に並べることで、全体として一つの世界観を表現したモノクロームの作品だ。展覧会でも展示したものだからご存知の方も多いかもしれない。それを手づくりの写真集にした。この写真集の販売に関しては次回のこのブログに詳細を書くことにする。
三冊目は、もうすぐ完成するスナップの写真集「日々の記憶」
日常の自分に見える何か、感じる何か、関わる何かを記憶するためのスナップ写真集だ。その都度書き留めた短い文章を書いてもいる。
写真は過去に流れて行くから、ノスタルジックや感傷的になり易い。そういう写真がぼくは嫌いだった。だが、今回の「日々の記憶」は十分にノスタルジックで感傷的だ。それが自分だから目を背けずにそのままに、自然に纏めてみたがどうなんだろうか。
四冊目は、既に完成しているのだがまだ発表していいものかと思い悩んでいる写真の詩集のようなもの。「光絵」という。

毎日、自分の写真を整理したり見直したりしているとあることに気がつく。写真は誰かに助けを求めている。手を差し伸べている。
だれしも寂しかったり不安だったり、見たくないことや感じたくないことから逃げたいと思いながら生きている。でも、いつか生きて行けなくなる不安や孤独になって行く不安に浸食されている恐怖。そいうものが写真には見え隠れしている。
純粋に、ただただ美しいと感動しながら写真が撮れるのは、本当にまれなる瞬間だ。そんな瞬間は人生で何度訪れるのだろうか。
ぼくなどは、そこに感じた何か得体の知れない感覚に少しウロウロしながら、不可解のうちにシャッターを切り、暗室やコンピュータの前でその写真たちと再び向き合い、自分の中にわき上がってくる別の感情をシンクロさせて初めて写真的なプリントにいたる。脳みそと気持ちをどう混ぜ合わせるかだ。ぼくの写真にとって一番大切な要素は時間差だ。

自由、平等、平和。そんな綿菓子のような言葉にほんわかしながら撮る写真などには何の価値もないのである。もちろん、ただただ美しかったからという写真にも然りである。
ただし、それが蜃気楼だとすれば別の展開ではあるのだが。

SONY RX1R 五本木の夏の名残雲。

コメント
コメントする