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2011.02.10 Thursday

広告の予算管理のありかた

 
今日、前々から気になっていたことを書こうと思うのだが、どうしてもコマーシャルフィルム業界内への苦言になってしまうのでこの業界でない方々には、一つお許しいただきたい。悩んだ末、どうしても考えておかなければならないことだと思ったからだ。
今日のあるCM打ち合わせの席でのことだ。撮影の機材に付いて討議していたのだが、現場に特機のパンサーを入れるかどうかで悩んだ末に、私はなくてもこなせるだろうという判断をして、制作部にパンサーは必要ないということを言った。その際に制作部からこういう返答が帰って来た。
「ありがとうございます。」もちろんその意味は、予算が助かりますと言う意味である。最近の制作予算の無さで、少しでもコストは下げたいということだ。これは至極当然のことで、見方によっては間違ったことではない。
しかし、私がここで言いたいことというのは、次のような事だ。
撮影や照明のそれぞれの責任者であるカメラマンや照明技師は当然コストを少しでも減らそうと絶えず考えている。それは例えばちょっとコストのかかる機材を入れても、その撮影効率や編集でのコストなど、制作上のトータル的な予算のかかり方も含めての判断をしてのいるのである。それを考えるのがプロである。ならば制作部の仕事とは何だろうか。闇雲にコストの削減ばかりを考えることだろうか。いや、それも仕事には含まれるだろうが、大切なのは現場でもしくは現場に至るまでの進行と管理を考え、スムーズに仕事が流れるよう的確な判断をすることだ。その制作部の仕事から考えれば、パンサーを必要なしと判断した私の考えに対して、ひとこと「わかりました。それでお願いします。」と共感してくれれば嬉しいのだ。
その制作部が、あからさまにも、コスト削減ありがとうございますというような返答をすれば、すべての判断はコスト優先ですという、クリエーティブとしては非常に貧しい発想の仕事をしていると言っているようなものだ。
残念なことに、最近このような経験をどこの制作会社にいっても必ずするのである。
レンズ一本削っても、「ありがとうございます。」と返って来る。
予算管理は大きくはプロデューサーの仕事だ。プロデューサーに制作部が、結果的にそのような報告をするのは当然だし仕事であるが、皆がいる打ち合わせの席で、カメラマンや照明技師に対してそのような対応をすることは、まずは予算予算と言って現場のスタッフに疲弊感を与え、ますますこの業界を苦しめることになっている気がする。
ただし、このことも考えていてほしい。機材や特機も本来は我慢せずに使って行かないと、彼らも仕事にならなくなり、新しい機材を入れることも出来ず、機材は老朽化して、日本の広告映像が世界の映像レベルから大きく立ち後れることにもなるのである。いざというときに最高の映像をもって広告が作れるように、業界全体を活性化していなくてはならないということも重要なことである。
私たちの仕事は広告であるから、当然ビジネスとしてなりたたなければ仕事にはならない。だが、安くモノを仕入れて、特売しているわけではない。広告は安く納品さえ出来れば良いというものではない。クライアントに対して、本来の「広告としての機能」を果たすことで仕事としてなりたち、私たちはその制作のプロでなくてはならない。
そのことを、現場の制作部や、もちろん撮影、照明、他すべてのスタッフがもう一度しっかりと肝に銘じてほしいのである。無駄なくスマートにいい広告を作ることに徹しなくては、私たちに明日はない。そして、結果的にはそれが無駄な予算を使わないということに繋がり、クライアントへの誠意ともなるはずである。ただし、業界がある程度お金を循環させ、活性化できてのことではあるが。
これを読んだ制作部の皆さん、気を悪くしないでいただきたい。けっして制作部を責めているのではない。予算の管理に関しては、私自身も肝に銘じているつもりである。

リーフアプタス5、ハッセルブラッド、プラナー80ミリ。

コメント
同じようなこと俺の仕事でもあります。
よくよく考えて段取りをしても、それはまだ用意してません、まだ来てません。
なのに、何時までにできますか?
とか平気で聞かれるし。
いやいや、おたくが段取りよく用意してくれていればもうすでに終わってるんですけど。。。
みたいな。
予算が無いって聞いて早く仕上げても「お客の入りが5時間後です」
とか。。。
去年はそういうの結構多かったです。
早くやればいいってもんでもないし、のんびり時間かければいいってもんでもない。
いろんな人の想いや思惑を構成していく仕事なんだけどな。
金金言われると、金じゃねぇんだよ!って言いたくなるけど、なかなか言えないのが現状かな。
  • ひでお
  • 2011.02.11 Friday 00:56
今日の打ち合わせ会議も、まさにこのようなお話でした。
「我が社も泣きますから 皆さんの会社も ここは ひとつ 助けてください!」
何ですか? ここは ひとつ って?
助けて欲しいのは こちらです!!
いつも泣かされ続け もう 涙も出ません。
涙腺も、とうとう詰まってしまいましたよ。

なぁーんて言えませんでしたけど ね ぇ(苦笑;) 
  • BT16A
  • 2011.02.11 Friday 01:09
今、大掛かりなキャンペーンに参加していますが驚くほど音楽制作費がありません。プロデューサーに真意を問うと「競合プレゼンに参加した時に◯百万円持ち出して(凄い金額)いるので、本制作で回収を・・・」開いた口がふさがりません。不正義以外の何物でもないと思いのですが…
  • m.m watanabe
  • 2011.02.12 Saturday 12:57
本気で立て直さないと行けないと思っています。ぼくたちの後輩のためにも。
  • mikio hasui
  • 2011.02.12 Saturday 21:34
ふだん限られた予算で最大限のパフォーマンスを発揮する、そのために自分で演出したり、カメラも勉強したり、手弁当で工夫する、そのことがもっとも正義だと思っていたのですが、確かに業界の活性化、これも大事ですね。失念してました。

きのうのカラコレのときにも同じお話しを聞かせていただきましたが、いいものを作るのためと予算をおさえるため、工夫の選択肢が結果同じだったとしても、志しが違うと仕上がりも違いますよね。

心だけは売らず、精進したいと思います。

データシネおよび本編集、引きつづきよろしくお願いします。
  • M.Osawa
  • 2011.02.21 Monday 09:50
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