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2010.05.24 Monday

今日の一枚



美しいというだけで芸術は成立するのだろうか。多種多様な意見が飛び交いそうだが、それには少なくとも個人的にしろ美意識の定義がいるだろう。僕はしばしばプリントをしていながらこの問いを考え続ける。世の中に散乱している様々な芸術論を、いや写真論を聴けば聴くほど自分の世界は隅っこに追いつめられ、ほとんど意味のないことのように思えてきて、落ち込む。しかし他との比較において作品を作っている訳ではなし、我が道を行くとばかりに意気込むのだが、またすぐ迷路に逆戻りする。
今手元にある一枚のCDは、デンマークのコペンハーゲン在住のピアニスト、マグナス・ヨルトの日本公演盤である。1983年生まれのこの若いピアニストを一言で表現するならば、最近の新進ピアニストで最も美しい音色を持つと人と言えばよいだろうか。そのピアノスタイルはどこにも前衛的なこともないスタンダードなモダンジャズピアノなのだが、その繊細なタッチから生まれてくる音は、一つ一つが丸いクリスタルの球のようで、その連続性にはどこにも破綻がない。しかしそれでもトリオの演奏のバランスはスリル満点でスウィング感に溢れている。最近のヨーロッパのピアノジャズにありがちな美しいがクールで冷たいトーンとはちょっと違う熱さももつピアノトリオだ。
ベーシストのペーター・エルドも1983年スウェーデン生まれ。そしてドラムは池長一美という日本人だ。
美しいという定義をまとめることは絶対に出来ないが、少なくともこのピアニストの音を聞いていると古典的なスタンダードがどうしてこんなに魅力的なテンションを持つのだろうと考えさせられる。
モノクロのプリントは今や古典的な手法になってしまったが、同じように現代にも魅力的なモダンテンションを与えることができるのだというヒントを感じた。美しいだけではない、美しい写真を目指して。
ライカM9、ズミルクス50ミリ。

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