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2010.04.05 Monday

今日の名盤3



1991年、僕は駆け出しのカメラマンでまだ仕事はそうなかった時代、毎日のようにジャズクラブでジャズマンの写真ばかり撮っていました。ほとんどの日本を代表するジャズマンを撮っていたと言っても過言ではありませんでした。特に最も撮らせていただいたのがトコさんこと日野元彦さんでした。そしてもう一人、尊敬するピアニストが山下洋輔さん。あるとき、親しくしていた音楽プロデューサーのI氏から、ニューヨークで山下洋輔トリオを撮らないかとお誘いいただいたのです。もちろん二つ返事でお受けしました。当時時間とお金が出来れば通っていたニューヨークですから、興奮しました。その時の山下さんのトリオが山下洋輔ニューヨークトリオ。ベースにセシルマクビー、ドラムにフェローンアクラフ、とニューヨークでもとびきり尖ったミュージシャンを起用したそのトリオの演奏は、ほんとにスリリングでエキサイティングでした。僕は鍵盤に張り付くようにして広角レンズで狙うのですが、何度山下さんの肘鉄を食らいそうになった事か。ライブが終わると深夜の小さなピアノバーに行って目汁鼻汁のおじいさんが弾くホンキートンクピアノに拍手喝采の毎日でした。
今年そのトリオが結成20周年を迎えリリースしたアルバムが、今日の名盤「TRIPLE CATS」です。三人が茶室でお茶をたしなむ姿を撮ったジャケット写真はこれも例外なく傑作です。内容は、いまだ健在な山下節から始まり、アルバムタイトルになっているTRIPLE CATSというまさに三匹の猫(CATとはジャズマンの事を言います)がじゃれあっている様な曲、MEMORY IS A FUNNY THINGという泣けてくる様なあまりにも美しいバラードなど、すべてが山下洋輔さんのオリジナルで、最後の一曲が山下さんが敬愛するガーシュインで締められていいます。
一口に20年と言っても、それって凄いことです。このアルバム、如何に山下洋輔さんが自分スタイルを変えず、なお洗練させ続けて来たかが本当にわかる一枚になっています。僕もあれから20年カメラマンとしてやって来た訳ですが、僕は自分のスタイルを守りきって来られたのか、自問自答しながら聞く一枚でした。
優しい表情の蘭の蕾み。キャノンIOS5、ライカマクロエルマリート。
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