心の音楽と写真 |
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ジョンコルトレーンの「ballads」、言わずと知れた名盤中の名盤である。確か1962年の録音だったように記憶している。間違いであれば申し訳ない。絶えず自らを責め立てる様な壮絶な音楽に立ち向かっていたコルトレーンのバラードは、その緊張感から解き放たれたようにのびのびと歌い込んでいる。しかしよく聞けば、そこにも彼の極限まで突き詰めた一種孤独とも言えるテンションが響き渡る。
ぼくがまだ高校生のころ、馬込にあった四畳半の狭いアパートでレコードがすり切れるほど聞いたのがこのアルバムだ。いや実際にすり切れて、合計三枚は買っている。
ぼくは今でもたまに夜な夜な一人でじっくりとこのアルバムを聴くのだが、今思えばよく高校生がこんな瞑想の様な音楽を聴いていたと、自分ながらに驚くのである。しかし、当時ジャズにどっぷりと浸って生活していた僕にはこれ以上の最上のアルバムはなかった。
音楽は凄い。このコルトレーンの端正な一音一音を噛み締めるように聞くならば、その狭いアパートでの一人暮らしの部屋の匂いや温度が身体の奥深くからしみ出してくる様な思いにかられる。そして間違いなくいまぼくが撮っている写真にもそれは影響しているはずだ。ファインダーの中に見えるすべてのもののディティールを丁寧になどるように撮影して、丁寧に時間をかけてプリントする。まさに写真も音作りである。シグマDP2、f5.6。
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