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2010.09.03 Friday

オーディオについて。



今日はオーディオについて書いてみます。僕はオーディオが好きです。昔、(ほとんど30年以上昔ですが)暇さえあれば渋谷や新宿のジャズ喫茶に入り浸っていました。もちろんジャズが好きだったので、すべてのジャズレコードを聴いてやろうと思っていましたから、それで通っていたという理由もありますが、もう一つの理由はその圧倒的な音圧と音色を聞くためでした。
JBLの(当時はジムランと呼んでいました)ばかでかいウーハーから響いてくるポールチェンバースのウッドベースの音色や、アルテックの銀箱から艶やかに聞こえてくるコルトレーンのサックスは何度聞いてもショックを受けるものでした。アンプはマッキントッシュやマランツ、ガラードの白いターンテーブルに、オルトフォンのカートリッジ。オーディオは店によって、オーナーの思想とでも言うべき様々な個性の音に組み立てられていました。僕は新宿のビアズレーという店にあった、エレクトロボイスのスピーカーの音色が今でも忘れられません。まるでビルエバンスがそこにいるかのように響くピアノ音。
当時まだ貧乏だった僕は、いつかはと思ったものです。
今、僕の聞いているオーディオはそこまで本格的なものではないにせよ、少しばかりは自分なりの音を出していると自負しています。
よく、オーディオは所詮生の音を越えられないと言います。普通に考えればそうかもしれません。でも、もう亡くなってしまった音楽家や演奏家の音はオーディオでしか聞く事は出来ないのです。そして、そのレコードの音はマナの原音に如何に忠実であるかという事に意味があるのではなく、僕の中にいる演奏者のイメージとしっかりとリンクするかどうかという事が重要なのです。
オーディオは、ある意味生演奏では得られない別のリアリティーを持つ事があるのです。それを感じたくて、日々悶々とアンプやスピーカーの事を考えるのです。
素晴らしい一瞬を撮影する時、その一瞬を撮るその時がライブだとしたら、そこから生まれるプリントはレコードです。
そしてそのレコードがライブの一瞬を越えているのが、いい写真です。それに近いのかもしれません。
写真は何処までも自分の中に様々な思考を生み出しますが、オーディオには同じ様な力があるのです。
ぜひ、いい音で改めて好きな音楽を眼を閉じて聞いてみてください。オーディオと言う音楽再生装置は、人の心のイメージ再生装置に他ならないのです。
ライカM9、ズミルクス50ミリ。
2010.05.14 Friday

5月13日



昨日5月13日は、ジャズドラマーの日野元彦さんが、亡くなられた命日だった。もうあれから11年という年月が流れた。六本木にある日野さんのジャズクラブ「アルフィー」に行くと、お兄さんの日野照正さんのライブに、既にたくさんの人が集まっていた。そして、僕が毎日のようにこの店に来てはジャズの写真を撮っていた頃の知人や友人、日野さんの弟子たちと懐かしい顔ぶれに会うことが出来た。
黒のTシャツの黒のジャケットを羽織った日野照正さんのペットがいきなり鳴り始め、セッションが始まる。魂の底から絞り出されたような密度の濃い艶やかな音は、一瞬にして天にまで登り詰めたことだろう。
熱いアバンギャルドなセッションは、元彦さんの弟子たちのドラムリレーとともに盛り上がった。
写真家になれず、何度も挫折しそうになったときにいつも励ましてくれた日野さんの笑顔が、今もそこにあるようなライブ。きっと彼は本当に天から降りてきていたに違いない。
雨上がりの庭、その2。シグマDP2、マクロアダプター使用。