ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
2012.10.23 Tuesday

懐かしのベニーグッドマン

 
続きを読む >>
2011.01.05 Wednesday

今日の名盤



雪が深夜降ったのだろう、まだ木の枝に積もる雪は作り立てのメレンゲのように柔らかい。ズボッと足が雪に深々と沈み込み、足首から冷たい雪が入って来る。鞄からいつもより重いハッセルを取り出して一枚切った。
その写真をモニターに映しながら、どんな音が合うか考えていたら、一昨日買ったアルバムが思い浮かび、それを合わせてみた。
DARIO CARNOVALE TRIO の新作だ。ダーリオ・カルノヴァーレ、2007年にデビューして今注目されるイタリアのシチリア出身のピアニストだ。
私はレコード店の試聴版を聞いてショックを受けた。いま主流のリリカルなヨーロピアンジャズだが、聞き込むと明らかにそれらとは違う事が感じられた。何といったら良いか、繊細でクラシカルなのだが、どこか土着的な旋律を感じるのである。最近のヨーロッパのジャズは特にその傾向が強いのだが、ダーリオのピアノにはその匂いを失わずにより洗練されたインテリジェンスを感じるのである。美しい旋律とパッションのあるビートが、まるで雪の降る精緻な森を感じさせる。
このアルバムのもう一つの聞き所は、モスクワ出身の現代音楽のベーシストであるユーリゴルベフのバッキングだ。この人もまだ40歳前である。
この二人のインプロビゼーションの素晴らしさは、ぜひ機会あれば聴いていただきたい。
また、目のはなせない音楽家に出会ってしまった。

リーフアプタス5、ハッセルブラッド、プラナー80ミリ。
2010.12.21 Tuesday

今日の名盤



最近の日本の若い才能には目を見張るものがあります。例えばスケート、国際的な舞台で堂々と演技する日本人がすごい。これはスポーツに限った事ではありません。音楽もしかり。たまにこのブログでご紹介する今日の名盤は、今年始めにリリースされた日本人のジャズアルバムです。
若きアルトサックス奏者である矢野沙織さんの「Be BOP at The SAVOY」。実は今日、友人の紹介で矢野さんとお昼をご一緒する事ができました。お会いした印象はちょっとシャイな普通の方、と言ったら失礼になるかもしれませんが、ほんとにこの人からこんなサウンドが出てくるとはどうしても思えないぐらい、優しい感じの普通の女性です。
しかし今日いただいこのアルバム、鳥肌が立つほどスリリングにスウィングしている。そのテクニックはもちろん超絶的(私も曲がりなりにもサックス奏者だったのでわかるのですが)ですが、すばらしのはその歌心です。バップというのは既に完成され、一時代を築いた過去のものですが、彼女の演奏を聴くと、とても古い感じを受けないどころか、興奮すら覚えます。それはわずか二十数年の人生経験が生んだ演奏とは思えない。
ジャズは既に終わったという人もいますが、生きている人間がリアルタイムで演奏している限り、それは最先端を疾走する音楽に他ならないのです。そこには、矢野沙織さんという二十代初めの一人の女性の人生経験ではなく「パッション」が練り込まれているのだろうと感じるのです。その時点で、既に昔のジャズと比較することは出来ません。やはり現代の音楽なのです。このジャズプレーヤーの将来がほんとに楽しみです。
ところで彼女を紹介してくれた友人とは、彼女のマネージャーをするNさんなのですが、先ほど連絡があり、娘さんがたったいま生まれたそうです。おめでとう!
僕らの世界にまた一人仲間が出来ました。素晴らしい地球にようこそ。

湘南。ライカM9、ズミクロン50ミリ。
2010.05.24 Monday

今日の一枚



美しいというだけで芸術は成立するのだろうか。多種多様な意見が飛び交いそうだが、それには少なくとも個人的にしろ美意識の定義がいるだろう。僕はしばしばプリントをしていながらこの問いを考え続ける。世の中に散乱している様々な芸術論を、いや写真論を聴けば聴くほど自分の世界は隅っこに追いつめられ、ほとんど意味のないことのように思えてきて、落ち込む。しかし他との比較において作品を作っている訳ではなし、我が道を行くとばかりに意気込むのだが、またすぐ迷路に逆戻りする。
今手元にある一枚のCDは、デンマークのコペンハーゲン在住のピアニスト、マグナス・ヨルトの日本公演盤である。1983年生まれのこの若いピアニストを一言で表現するならば、最近の新進ピアニストで最も美しい音色を持つと人と言えばよいだろうか。そのピアノスタイルはどこにも前衛的なこともないスタンダードなモダンジャズピアノなのだが、その繊細なタッチから生まれてくる音は、一つ一つが丸いクリスタルの球のようで、その連続性にはどこにも破綻がない。しかしそれでもトリオの演奏のバランスはスリル満点でスウィング感に溢れている。最近のヨーロッパのピアノジャズにありがちな美しいがクールで冷たいトーンとはちょっと違う熱さももつピアノトリオだ。
ベーシストのペーター・エルドも1983年スウェーデン生まれ。そしてドラムは池長一美という日本人だ。
美しいという定義をまとめることは絶対に出来ないが、少なくともこのピアニストの音を聞いていると古典的なスタンダードがどうしてこんなに魅力的なテンションを持つのだろうと考えさせられる。
モノクロのプリントは今や古典的な手法になってしまったが、同じように現代にも魅力的なモダンテンションを与えることができるのだというヒントを感じた。美しいだけではない、美しい写真を目指して。
ライカM9、ズミルクス50ミリ。

2010.04.05 Monday

今日の名盤3



1991年、僕は駆け出しのカメラマンでまだ仕事はそうなかった時代、毎日のようにジャズクラブでジャズマンの写真ばかり撮っていました。ほとんどの日本を代表するジャズマンを撮っていたと言っても過言ではありませんでした。特に最も撮らせていただいたのがトコさんこと日野元彦さんでした。そしてもう一人、尊敬するピアニストが山下洋輔さん。あるとき、親しくしていた音楽プロデューサーのI氏から、ニューヨークで山下洋輔トリオを撮らないかとお誘いいただいたのです。もちろん二つ返事でお受けしました。当時時間とお金が出来れば通っていたニューヨークですから、興奮しました。その時の山下さんのトリオが山下洋輔ニューヨークトリオ。ベースにセシルマクビー、ドラムにフェローンアクラフ、とニューヨークでもとびきり尖ったミュージシャンを起用したそのトリオの演奏は、ほんとにスリリングでエキサイティングでした。僕は鍵盤に張り付くようにして広角レンズで狙うのですが、何度山下さんの肘鉄を食らいそうになった事か。ライブが終わると深夜の小さなピアノバーに行って目汁鼻汁のおじいさんが弾くホンキートンクピアノに拍手喝采の毎日でした。
今年そのトリオが結成20周年を迎えリリースしたアルバムが、今日の名盤「TRIPLE CATS」です。三人が茶室でお茶をたしなむ姿を撮ったジャケット写真はこれも例外なく傑作です。内容は、いまだ健在な山下節から始まり、アルバムタイトルになっているTRIPLE CATSというまさに三匹の猫(CATとはジャズマンの事を言います)がじゃれあっている様な曲、MEMORY IS A FUNNY THINGという泣けてくる様なあまりにも美しいバラードなど、すべてが山下洋輔さんのオリジナルで、最後の一曲が山下さんが敬愛するガーシュインで締められていいます。
一口に20年と言っても、それって凄いことです。このアルバム、如何に山下洋輔さんが自分スタイルを変えず、なお洗練させ続けて来たかが本当にわかる一枚になっています。僕もあれから20年カメラマンとしてやって来た訳ですが、僕は自分のスタイルを守りきって来られたのか、自問自答しながら聞く一枚でした。
優しい表情の蘭の蕾み。キャノンIOS5、ライカマクロエルマリート。
2010.04.04 Sunday

今日の名盤2



真っ白な雪景色の中に黒いコートジャケットを来て立つデュークジョーダン。この静かな風景のジャケット写真に見とれてジャケ買いしたのは1980年ごろだったと思います。以来愛聴盤のこのアルバムは「FLIGHT TO DEMMARK」です。1973年録音のこのアルバムはスティープルチェイスから発売になりました。中でも一曲目のTUNEであるNO PROBLEMが大好きです。収録曲はどれも静かでミディアムテンポのバラードですから、夜中にゆっくりと聞くと、ほんとに疲れが取れます。そのディークのリリカルな演奏を見事にサポートしているドラマーは、昨日ご紹介したピーターソンのアルバムでも名演しているエドシグペンです。地味ですが、名人とはこういう人の事を言うのでしょう。
それにしても名盤には名作のジャケットが付き物ですが、これほど内容とマッチした素晴らしいジャケットはそうないのではないでしょうか。そうそう、もう一つありました。オーネットコールマンの「ゴールデン・サークル」。このアルバムもストックホルムの雪景色の中で撮影されています。ただし、こちらはジャケットの静かなイメージとは正反対のハイテンションな演奏です。でも内容はやはり最高です。他に僕が好きなジャケットはレイブライアントの「RAY BRYANT TRIO PRESTIGE 7098」ウェインショーターの「JU JU」。セロニアスモンクの「MONK`S DREAM」。どれも名盤です。そして兎に角写真がいい。どれもそうとういいアーティスト写真でありながら、見事に音楽と合っています。ジャズと写真は切っても切れない関係のようです。
庭のしだれ桜。キャノンIOS5にライカエルマリート60ミリ。
2010.04.03 Saturday

今日の名盤



深夜に自宅のパソコンに向かっているときに、必ずi-tuneに落としてあるcdからどれを聞こうかと悩むのが楽しいものだ。今日これを書きながら選んだのは、かの名盤中の名盤である「We get requests」オスカーピーターソントリオ(1964年)である。初めてこのアルバムを聴いたのは大学一年の秋頃だったと思う。友人のベーシストのK君からアルバムを借りて、テープにダビングした。そして毎晩必ず聞いた。ピーターソンの繊細なアドリブをすべて楽譜に書けるほどに聞き込んだアルバムだ。ピアノがオスカーピーターソン、ベースがレイブラウン、ドラムはたしかエドシグペンだった様な気がする。選曲はすべてがあまりにも有名なスタンダードやボサノバなのだが、中でも「イパネマの娘」はこれほど見事にジャズになっている演奏を他に知らない。かの有名なゲッツジルベルトぐらいであろうか。
36年間聞いていられるほどのアルバムだが、それほど味わい深いものになっている訳はこうだ。このアルバム、実はオスカーピーターソンのアルバムといいながら、これほどまでに飽きのこない名盤にしているのは、ベースのレイブラウンの名演なのである。彼の完璧なベースラインとドライブ感がこのアルバムの魅力のすべてになっている。ジャズベースを味わう名盤のおそらくNO.1。この時代のピーターソントリオのアルバムはどれも素晴らしいの一言につきるが、どの演奏でもレイブラウンのベースは奇跡と言ってもいいと思う。もしオスカーピーターソンのCDを買われる際は、ベーシストがレイブラウンのものをぜひどうぞ。1950年以来の名コンビは永遠だ。今日の名盤ご紹介でした。
近くの神社で。シグマDP2、プログラムオート。
2010.03.01 Monday

ジム&パット



僕の好きな楽器の一つはギターである。昔、サックスを吹いていたから管楽器が好きだと自分では思っていたのに、よく考えればギターがかなり好きなのである。特に好きなギタリストは沢山いるが、今よく聞くのがパットメセニーである。アルバムで好きなものは、名手ジムホールと共演したアルバム「ジムホール&パットメセニー」パットが如何にジムを尊敬しているかが痛いほどわかる名盤である。その心地よい会話はシャレていてなおテンションに満ちている。ジムのふくよかな音色とパットのちょっと金属的なピッキングの音が見事に重なりあっている。パットとジムのハーモニックスが重なったり、どちらかがベースラインを奏でたり、自由に空を飛ぶ二羽の鳥のようである。リビングの油絵、シグマDP2、f5.6。