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新製品degim

あるメーカーのプレスリリースからの抜粋
「デジタルカメラの新製品ラッシュはどこまでいくのでしょうか。コンパクトからデジタル一眼まで、ほぼ毎週のペースでの更新が続いています。今回ご紹介するのはまったく新しいカメラの登場です。製品名はdegimRF(デジムRF)。当社のレンジファインダー機をベースに開発されています。
このカメラはその名のとおり、デジタルセンサー(O社との共同開発)とフィルムカメラの合体です。ブログなどが一般的になったいま、デジタルカメラを持ち歩いている方は多いはず。しかしそんな時に限って素晴らしい光に出会ったりするものですね。あーフィルムカメラを持っていればよかった、という経験はよくあります。このdegimRFはハーフミラー(半透過性)をシャッター膜の前に立て位置に置くことによってそのミラー映像を1000万画素のCMOSセンサー(相補性金属酸化膜半導体を用いた固体撮像素子、フォーサーズサイズ)で同時撮影します。すなわちフィルムで撮影すると同時にデジタル撮影ができるということになります。フィルム撮影はCMOSセンサーの大きさと揃える都合上、ハーフ判(36枚撮りで72カット撮影)になります。もちろんデジタルだけの撮影にも対応しています。
保存メディアはmicroSD カードでカメラ本体は大変軽量コンパクトです。レンズは交換式で、各社のMマウントのレンズが使えます。(レンズ換算は1.4倍)ファインダーは二重像合致式の実像式でボディー背面に2.5インチの液晶を装備し、撮ったその場で画像のチェックをすることができます。今のところRAWモード対応はありませんが、将来的には対応を予定しています。発売は近日中で価格は未定です。」

というのは、ごめんなさい。フィクションです。
でもこんなカメラが出来ないでしょうか。デジタルかフィルムかという議論が多い中、なぜ出来ないのか不思議です。これならフィルムも少しは売れるようになるかもしれません。
いっそ僕が作ってしまおうかな。

| photograph | 15:40 | comments(6) | - |
一方通行

今日は午前中から明日の撮影の打ち合わせのため、助手の高沢君にハイエースを運転してもらい、新宿に向かった。
蛇崩れから山手通りに向かうと、思ったとおりの渋滞である。
高沢君は渋滞を回避しようと山手通りの一本前を左折してその次を右折した。
すると対向車線からセダンが一台やって来て、ドライバーの男性が怖い顔で怒鳴った。
「一通だぞ!」
高沢君はきょとんと「一通ですか、ここ?」と僕に聴く。

ちょうどそのときに僕はぼうっとある事を考えていた。
写真は今を過去として未来に残すためにあると思っている人が多いのだろうか。
僕は少なくとも今を写真で検証いたいと思っているのだが。
その写真は時間とともに流れて行き未来につながる。
しかし大過去につながる写真もある。それは面白そうだ。
例えば化石を撮るとどういう意味になるだろうか。
生物が生きていた時から今までの長い時間が、そこにマテリアルとしてある。
それを客観的にもう一度写真という表現に写し取る。
僕は何を感じるだろう。なら年輪はどうだろうか。そういう単純な事ではないだろう。
つまり時間はすべてのものに積み重なり堆積されているのである。
そして時間の堆積は人の記憶にある。太古の昔からDNAという形で繋がれている。

「一方通行ですか。ここ?」
高沢君がもう一度僕に聴いた。
「そのようだね。間違ったね。」
時間は過去から未来へ淡々と流れているが、
それはまさに一方通行である。カメラはタイムマシンになり得るだろうか。
| photograph | 22:29 | comments(1) | - |
アーカイバルについて

第二回
写真のアーカイバル処理について
前回書いたように僕は自分なりの処方でプリントするわけだが、最終的な作品として一人歩きさせるには、アーカイバル処理をしなくてはいけない。
アーカイバルってなあに?という方も多いと思うので簡単に説明すると、作品としてのプリントが半永久的に変色したりしないように守らなければならない水洗や後処理の処方のことである。これにはいろんなやり方があるのだが、例えばMOMA美術館だとコダックのセレニュームトーナーを使わないといけないとか、使わない場合はこうしなさいという様な決まりがあるようだ。それを守っていない作品に関してはよほどの作家のコンセプチャルな意思がない限りは所蔵を認められないということになっている。まあ気難しい話しは置いておくとして、やはりせっかくのプリントなので長く楽しむためにも、出来ればアーカイバル処理をしておきたいものである。
実際に僕がやっている方法を今回はご紹介するのだが、別に特別に大変なことをしている訳ではない。
定着液から上げた作品はまず予備水洗にいれる。約5分くらい流水で洗う。そして僕はフジのQWという薬品を溶いた溶液に6分間浸す。その間重なった印画紙があれば丁寧にトランプを切るように入れ替えてまんべんなく印画紙が浸るようにする。その後再び流水中で20分間水洗する。そうしておけばおおよそ個人で楽しむにはまったく問題なく保存できるのだが、きちっとしたアーカイバル処理にするには、さらにセレニュームトーナーに浸し、その後30分間流水で水洗する。セレニュームトーナーとはコダックの調色剤でこれが銀を安定化する。希釈が肝心でプリントにまったく色調の変化を求めないなら水に対して40対1の希釈にする。そうすると黒の色調はそのままで最暗部の濃度が少し濃くなって締まりが良くなり、保護調色される。また20対1で希釈すると、やや赤味を帯びた暗褐色の黒になり保護調色される。この色はなかなか魅力的でマイケル・ケンナの作品はこの調色による色が印象的である。ただ最近はこの薬品が注文生産となりなかなか手に入らなくなって来た。そして劇薬指定なので取り扱いにも充分注意が必要である。そこで僕がたまに使うのはフジの保護処理剤にAGガードである。これを処方通りに希釈して乾燥させる前に一分間浸す。この処理だとまったく画像の色を変えることは無い。また薬品も手に入りやすい。どちらを使ってもよいと思うが、セレニュームトーナーを使った少し黒をしめた処理は魅力的なのでぜひ試していただきたい。
その次に自然乾燥。しっかりと乾いたらドライマウントマシンで80度2分間プレスする。または無酸性紙に挟んで鉄板などで押しプレスする。
プリントの完成。あとはカチェットボックスに入れておくか、ブックマウントしておくのがいいだろう。
大まかに手順を書くと以上のようになるのだが、実際にやってみるとそんなに大変ではない。
そして作品がなんだか立派になった様な感じがするだろう。
暗室作法なんて言うほどのものではないが、これから、または既に楽しんでいらっしゃる方の参考になれば幸いである。

写真はデジタルカメラが普及する事で本当に手軽になり、誰でも楽しめるようになった。子供でも簡単に高画質の写真を撮る事が出来る。しかし反面、撮られている多くの写真が均一化されてはいないだろうか。先日のある写真コンペのときにその事を強く感じた。気軽に撮れるが故に表面的な似た様な写真が多い。写真の楽しみ方は様々だが、楽に撮れると写る事だけに満足してしまう。デジタルに比べれば、モノクロプリントは面倒な作業だが、その不自由さが実は写真を面白くするのである。失敗すればそこから新しい何かを発見する。自分ではコントロールできない力が、実は写真を支配しているのである。プリントをしてみるとそれがよくわかる。そこのところとの駆け引きが面白い。便利で合理的な写真から離れてみるのはどうだろうか。

| photograph | 23:01 | - | - |
暗室作法

いよいよフジフォトサロンでの展覧会まで一ヶ月ほどに。撮影はほぼ打ち切るとして、ここのところ暗室にこもる時間が多くなってきた。今回はすべて8x10からの大全紙のバライタプリントだ。
プリントの処方は現像液のみ自家製であとはフジの市販品を使っている。
現像液も始めはフジの市販品を使ってみたのだが、どうしても黒の色調がやや赤くなるために(印画紙はフジのレンブラントG2)すこし温黒調になるアンスコ A120という処方を使う事にした。
この処方は亜硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを現像主薬にする至ってシンプルなもので、薬品もカメラ量販店ですぐ手に入るのでおすすめだ。この処方箋は最後に書いておく事にする。
現像液の安定性も悪くなく、現像能力もそこそこ実用に堪える。
今回はちょっと専門的な話になって恐縮だが、おそらく参考になる方もいらっしゃると思うので、数回にわけて僕の暗室作法をご紹介する事にしよう。
ただしこれはあくまでも僕の自己流であってアカデミックな観点からすると間違っている事があるかもしれないので、その時はご遠慮なくご忠告いただきたい。僕の勉強にもなるので。

第一回

プリント現像
露光のコツ
プリントにおいて最も大切なのが露光の仕方である。昔はシングルグレードであったので、単純だったのだが、今はマルチグレードになっているため、かなり複雑になっている。
今回は僕の自己流の露光方法をご紹介する。
まずテスト用の小さい印画紙に普段の基本露光をする。例えば絞りは11で2号のフィルターで10秒。それを現像してみて感じが良かったとしよう。もちろんそれで良いのだが、最近のマルチグレードはコントラスト優先のために、どうしても黒の締まりが悪い。印画紙自体の銀の量が減っていることもあるのだが。そこで5号のフィルターを使って暗部の黒を締めることにする。10秒の基本露光を20%減らす。そして5号を50%の時間露光する。この場合8秒の基本露光(2号)と5秒の第二露光(5号)をする。そして必要ならばもう一度2号に戻して空などの明るい部分を焼き込む。そうするとほぼ基本と同じ露光濃度になるだろう。そして黒が締まっているはずだ。
また難しいのは周辺を覆い焼きしたいとき。レンズの癖によって周辺が濃くなってしまっていて、どうしても均一にフラットに焼くことが難しい。その場合は露光時間を4回に分ける。一回2.5秒にしてしまえばいい。そうして右上だけ、左上だけと順に覆い焼きしていけば同じように四隅が覆い焼きできる。最終的に露光時間は10秒になる訳だ。こんな単純なことが以外と役立つ。出来る限り単純に考えることである。
現像のコツ
バットは焼くサイズのものであればなんでも良いが、全紙など大伸ばしのときはアメリカ製のセスコライトのものが使いやすい。その訳はバットの四隅が緩やかに湾曲しているので印画紙を撹拌したときに紙の四隅が痛まないからである。このバットを5枚用意する。左から順に、水、現像液、停止液、第一定着液、第二定着液、である。場合によってはもう一枚追加して第二現像液を用意する事もある。ただしこれは以前シングルグレードの印画紙が主流だった頃に軟調現像と硬調現像を組み合わせて広いダイナミックレンジを得るためだった。よく試みたのは第一現像にコダックのセレクトールソフトを使用し、第二現像にデクトールを使用して暗部のコントラストを締めるというものだ。しかし今はマルチグレードの印画紙が主流のため、露光段階で号数をミックスする事によってその効果を得る事が出来るようになった。従って現像バットは一枚でいいのである。しかし効果がない訳ではないのでスペースがあればぜひやって欲しい。
一枚目のバットが水である。これは最近あまりやらないが、以前はよくやった水現のためだ。水現とはその字の通り水現像(現像できる訳ではないのだが)で、露光した印画紙をまずこの水に一分間浸す。印画紙に水がなじんだら現像液に。そうする事によって初期の現像斑を押さえる事が出来る。写真によってだが、故意にフラットで浅いプリントに仕上げるときにはかなり重要な手順になる。フィルム現像では当たり前に行われるのだが、意外にもプリント現像でそれをする人は少ない。またかなり詳しい専門書にも書かれていない。従って僕の自己流だがこれはぜひ試していただきたい。
ただし枚数が多くなると、現像液の濃度が薄くなるのでその分の時間調整が必要になる。
という訳でまず印画紙を手前からそっと水のバットに入れる。僕は全紙の様な大きな印画紙の場合は竹ピンを使わず、直接指で印画紙をつまむ。そのほうが印画紙を痛めない。
次に水になじませた印画紙を両手でつかんで上から滑らすように一気に現像液に浸す。その時乳剤面は上になるように。印画紙は予め濡れているので自然に現像液に馴染みうっすらと像が現れてきたところで裏返す。規定時間の約三分の二を過ぎたら再び裏返して、現像を押したいハイライト部などを優しく指でこするといい。そこの液の流速が早くなる事によって現像が進み白のトーンを豊かにする事が出来るのである。僕の平均的な現像時間は、ノーマルの処方液(アンスコA120)の場合は20度で二分半ぐらいであるが、たまに写真用グリシンを使った特殊なオートトーニング現像液の場合はセーフライトを消して20分近く現像する場合もある。そんな日は一日やっても納得のできるプリントは一枚か二枚しか仕上げる事は出来ない。
ところで理想的なプリントとはどういう状態であろうか。人によって様々ではあるが、マニュアル的に言えば完全な黒からぎりぎり認識できる白(紙の白ではなく、あくまで画像の白である)までが再現されているということである。ここで難しいのが黒の濃度の見極め方だ。かなり前に黒の濃度を測る器具もあったのだが、今は手に入るまい。そこで僕はガイドとしてグレースケールを露光時間によって作りそのガイドをもとに最暗部の黒の濃度を決める。実際のプリントの最暗部をプリントしてガイドと比較して、同じ濃度が出れば、その状態から約5%露光時間を短くしてプリントする。これは乾燥後の濃度増加を見越してで、ドライダウンという。そして白も同じようにしてガイドを作っておくと重宝する。ただし現像液の種類や印画紙によって変わるのでそこは揃えるように。
余談だがドライダウンは乾いてみないとわからないが、待っていられないものである。その場合テストピースをちょっと台所に持ってい行き、電子レンジで乾かしてしまうという手がある。5分でドライダウンが確認できる。これはあの巨匠アンセルアダムス氏もやっていたと言うが定かではない。電子レンジが何時からあったのかということを考えると、ちょっと怪しい。(笑)
さて、現像液にプリントが浸っている時はバットの手前の角に指をかけて優しく液を回すように撹拌する。コツは子供を寝かしつける様な感じで、優しく穏やかに一定のスピードが大切である。先ほど説明したように、このとき何故印画紙は裏返しておく。なぜ裏返すかという事をご説明する。
現像液に入ってすこしばかり浮き上がってきた写真を見たら印画紙を裏返してしまう。そうすると当然現像の進む写真を見る事が出来ない。その間にバットを揺らしながら頭の中で写真をイメージ現像するのである。自分のイメージを新ためて液の中の印画紙に焼き付けるのだ。頭の中に正しい写真が浮き上がってくる。そうしたら印画紙を再び表に返す。うまく念じるとその通りに現像が進んでいる。まるでオカルト念写であるが本当なのである。疲れていてそこに集中できない日はいくらやってもうまく行かない。人間の能力とは不思議な力の固まりだ。
現像が終わった印画紙は再び優しく手でつまみ上げてあまり時間をかけずに停止液の中に滑り込ませる。ここでも丁寧に撹拌しながら、時間は30秒くらい
。そして同じ動作で第一定着に。定着液だが第一定着を新しい液にして、第二定着を前日の古いものにするといいだろう。第一定着に浸して約一分したら照明をつける。そして三分したら第二定着に移す。ただし安心して第二定着に印画紙をつけ過ぎでいるのは良くない。なぜならバライタ紙の繊維の中に定着分がしみ込みすぎて、規定の水洗では残留成分が十分に洗い流されなくなり、いずれそれが変色などを引き起こす事になるためだ。規定時間に足りないのは当然だめだが、長ければいいという訳ではないのである。
規定時間の定着を終えた印画紙は予備水洗に回すのだが、ここから大切なアーカイブ処理をしなくてはならない。次回はアーカイブの処理方法について。
| photograph | 00:10 | comments(3) | - |
森の細密画

杉に絡んだ蔦。低層植物の明るい緑とのコントラストは見事で、
またそのディティールは細密画のようです。
ブログの解像度が低くオリジナルでご覧いただけないのが残念です。

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| photograph | 19:39 | comments(3) | - |
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